【読書】池上彰の教養のススメ(池上彰)

「なぜ教養が必要なのか?」

世界を知り、自然を知り、人を知る。すると、世の理が見えてきます。

 

分かりやすい入門書なら、池上彰さんの本の右に出るものはありません。

かつてNHKにいた時に「週刊こどもニュース」のお父さん役として大活躍。ニュースの本質を、小学生の子どもにも理解できるように報道する、「分かりやすく伝える専門家」です。

 

そんな池上さんだからこそ、「なぜ教養が必要なのか?」という問いにも、分かりやすく答えてくれます。

 

一見すると使えなさそうな知識でも、池上さんの話術を通して見れば、「なるほど、勉強してみたいかも!」となる。その意味で、この本は、読書や勉強のモチベーションを高めるための本とも言えそうです。

 

教養がいかに「使える」ものなのか、教養がいかに「人を知る」ために不可欠なものなのか、教養がいかに「面白くてたまらない」ものなのか。

私の仲間の先生たちと一緒に、考えていきましょう。

 

「何となく読書してみたいけど、何から読めば良いのだろう?」という人にも、この本はオススメです。

この本を読んだ後、もっと新しい本を読みたくなっているはずです。

 

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言葉にすることから逃げないこと

仕事をしていて、上司や同僚から「なぜそう考えたの?」と深掘りされ、言葉に詰まってしまった経験はありませんか?

私は何度もあります。悔しいですよね、アレ・・・。

 

そもそも、全てのものごとを、言葉で説明する事はできるのでしょうか?

「言葉で表せないはずがない」派と、「言葉にできない事だってある」派の言い争いは、いろいろな場面で目にするはずです。ある時は社内のディスカッションだったり、ある時は夫婦喧嘩だったり・・・。

 

先に私の立場を表明しておきます。

「言葉にできない事は確かにある。しかし、言葉にすることから逃げてはいけない」。

これが私の立場です。

その私なりの考えを説明するために、まず最初に「言葉のプロ」に登場してもらうことにします。小説家の村上春樹さんです。

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若いうちから考える働き方のリスクヘッジ ─転職とポータブルスキル─

働き方はさまざまです。

出世を目指したい人もいれば、ゆったりと働きたい人もいます。どちらの生き方も正解、人それぞれ答えは違います。

 

ただし、どちらのルートを辿るにせよ大切なのが、リスクヘッジです。

会社の寿命はますます短くなり、テクノロジーが身の回りの景色をあっという間に変えていく。外部環境の変化が、「働き方のリスクヘッジ」の重要性を高めているのです。 

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【読書】外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント(山口周)

仕事の「炎上」を避ける危機管理術

筆者はコンサルタントという仕事をすでに十年以上続けていますが、プロジェクトを炎上させたことが一度もありません。

 

「炎上」とは、「ある人やチームの仕事がキャパシティ越えしてしまう状態」を意味します。

当初予定していた成果が出せない。毎日深夜残業してもさばききれない業務量。上司やクライアントも怒り心頭──。

よく考えてみると、炎上は「プロジェクト」という集団単位でも起こりうるし、同時に個人単位でも起こりうるものです。その意味で、仕事の「炎上」を防ぐ危機管理術は、私たち全員が学ぶべきとも言えそうです。

 

この本ではプロジェクトマネジメントの側面から、仕事の進め方についてのテクニックが沢山語られています。しかしそこで語られている山口さんのテクニックには、仕事を有効に進めていくための普遍的な「考え方」が含まれています。

プロジェクトマネジメントに限らない、誰でもいつでも活かせる仕事の進め方教本として。ビジネスパーソンならぜひ一読するべき良書です。

 

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

 
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【読書】僕らが毎日やっている最強の読み方(池上彰・佐藤優)

ビジネスパーソンが知識を磨くための最良の教科書

でも、傍から見るほど苦しくはないのですね。毎日の勉強で視野が広がったときの喜び。国際情勢に対する自分なりの読みが当たったときの満足感。きっと、こうした知的快楽に背中を押されて、私たちは走っているのだろうと思います。

 

「知は力」です。

知識があれば人より一歩前に出れる。さらに知識を自分の頭で組み立てて、自分なりにより深い洞察を得ることができれば、周りの人からもさらに一目置かれるでしょう。

ビジネスパーソンであれば、「知は力」という言葉の重みを無視することはできないはずです。

 

知識、つまり情報のプロと言えばこの二人。

ニュースを分かりやすく伝えるプロの池上彰さんと、外交の現場で情報戦を乗り切ってきた佐藤優さんです。

お二人とも、著書を出せば飛ぶように売れる人気作家。それは二人の言葉、発信する情報にオリジナルの「価値」があるからです。

正しい情報をインプットし、価値ある情報をアウトプットする技法。それは彼らの達人技であって、他の人には真似できないものなのでしょうか?そうではないと、池上さんは語ります。

佐藤氏も私も、知識を吸収し、自分の分析力を高める手法に、奇抜なものはありません。ごくオーソドックスな基礎的動作を繰り返しているだけ、とも言えます。

ということは、読者のあなたにもできることが多いということなのです。 

本書には、至極当たり前のことしか書かれていません。けれども書店に行くと、そうした当たり前のことが体系的に・網羅的に書かれたガイドブックは驚くほど少ないことに気づきます。そこに本書の価値があるのです。

これから腰を据えて勉強してみようと思うビジネスパーソンに役立つ、初級から上級までの勉強法のテクニックが網羅された良書です。

 

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【読書】トップ1%に上り詰めたいなら、20代は"残業"するな(山口周)

幸せな人生を送りたいなら、キャリア論を考える

重要なのは「自分という船」の船長になる、という気構えを持つことです。

 

社会人一年目だった時、私は途方に暮れていました。

何が正解なのか分からない。何から始めれば良いのか分からない。

大学でも大した勉強をせず、何も準備をしないまま無防備な状態で大企業に就職した私は、社会の手痛い洗礼を受けていました。

 

この本を、かつての私のように、社会人になったばかりで途方に暮れている人に送りたい。そう思います。

 

社会人になると、学ぶべきことは沢山あります。ビジネスマナー、仕事の段取り、WordやExcelの使い方、スーツの着こなし方…例を挙げればキリがありません。

そしてその一つに、ぜひ「キャリア論」、つまり「どういうキャリアを歩むべきか」というテーマも入れて頂きたいです。

これから先、40年以上の働く時間を、悔いのないものにするために。20代という早い時期にこそ、自分のキャリア論について、考えてみるのです。そしてその入門書としてふさわしい一冊として、本書を紹介します。 

トップ1%に上り詰めたいなら、20代は“残業

トップ1%に上り詰めたいなら、20代は“残業"するな

 
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【読書】組織の掟(佐藤優)

組織に潰されないために、組織の掟を知ろう

佐藤「それはいくらなんでも滅茶苦茶じゃないですか。何かあったら外務省と大使館は一切責任をとらずに僕に被せるということじゃないですか」

総括公使「何もなければ問題ないじゃない。佐藤ちゃんだったら、こんな仕事、トラブルを起こさずに処理できるでしょう」

総括公使の口元は笑っているけれど、目はすわっている。どうやら断るというオプションは絶対になさそうだ。

組織はリスクや責任を負うことを何よりも恐れる。組織の責任を回避するためなら、個人が犠牲になることはやむを得ないという論理で動いている。個人がいくら不当だと叫んだところで、組織は決して助けてくれない。

外務本省も大使館も、リスクはすべて筆者個人に背負わせようと判断したようだ。

 

修羅場の乗り切り方を学ぶには、先人たちの知恵を学ぶのが一番の近道です。

著者は元外交官の佐藤優さん。

外務省に在籍していた時に遭遇した様々な修羅場を題材に、「組織を生き抜くための処世術」を語ります。

 

そもそも、このご時世において、組織に属して働く事が、果たして幸せなのか。

フリーランスや起業という選択も、かつてより選択しやすくなりました。組織の理不尽さに身をすり減らしてしまっては意味がありません。もし身の危険を感じたら、手遅れになる前に逃げるべきでしょう。

しかし、組織から逃げる前に、「組織の理不尽さから身をかわすテクニック」を、先人から学ぶというのも一案です。組織の掟を知り、それによってその組織の掟から身を守るのです。

ただし、私は組織を嫌っているわけではない。なぜなら、組織には、独特の「人間を引き上げてくれる力」があるからだ。特に社会人になってから最初の10年は、どのような企業や官庁に就職しても、新人が組織から吸収する内容の方が、組織に貢献するよりも圧倒的に大きいのである。

要は組織から受けるマイナスを極小化し、組織に属する事で得られるプラスを極大化すること。これが(私を含めて)大多数のサラリーマンに取れる、一番現実的な方法なのかもしれません。

数々の修羅場を乗り切ってきた佐藤優さんから、私たちが学べる事は多そうです。

組織の掟 (新潮新書)

組織の掟 (新潮新書)

 
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