タダ働きの心理学 〜「考えている」ではなく「考えさせられている」?〜

いいですか皆さん。

人の善意につけ込んで労働力をタダで使おうとする。それは「搾取」です。

例えば、「友だちだから」「勉強になるから」「これもあなたのためだから」などと言って正当な賃金を払わない。このような「やりがい搾取」を見逃してはなりません。

(TBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』より)

 

2016年にヒットしたTBSドラマ逃げるは恥だが役に立つ第10話の一節です。

主人公・森山みくり(新垣結衣)は、商店街の仕事のボランティアを頼まれた際に、このように返答しました。

物語の第1話から一貫して、みくりは「働く」という事について真剣に悩んでいます。そして「誠実に働き、その対価をしっかりもらう」という、原理原則を大切にしている。だからこそ、ボランティアという形でオファーされた「無償労働」に対して毅然とした態度を取ったのです。

 

最近よく耳にしますね。「ブラック・バイト」や「ブラック・ボランティア」という言葉に代表される、「やりがい搾取」

あなたは、その経験はありませんか?

「自分とは関係ない話だから・・・」と思ったかもしれません。ですが、それはもっと身近なところに存在します。もしかすると、あなたも既に巻き込まれているかもしれないのです。

どういうことか? 一つ一つ具体的に見ていきたいと思います。

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今、辛い想いをしている人へ。読書は「いま、ここ」から抜け出す武器になる。

今、辛い想いをしている人へ。

もし、あなたに直接会うことができたら、わたしで良ければ、たくさん話を聞いてあげたい。

そして最後に、あなたにピッタリの一冊を選んで渡してあげたい。「大丈夫。この本を読めば、きっとあなたの助けになるはず」と。

 

読書は、武器になる。「いま、ここ」から抜け出す武器になる。

私は色々なブログ記事の中で、よく本を引用しています。

その理由は明確です。読書が「いま、ここ」から抜け出す武器になる事を、あなたに知ってほしいからです。そして実際にその本を読んでみてほしいからです。

かつての私自身が、まさにそうだったから。

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【読書】速さは全てを解決する ─『ゼロ秒思考』の仕事術─(赤羽雄二)

本当の「働き方改革」を目指そう

スピードアップの鍵は、「仕事のスピードは無限に早くなる」「思考のスピードは無限に早くなる」という信念のもと、あらゆる創意工夫をし続けることだと考えている。

 

どんな名門企業にも、仕事の非効率は山ほど存在します。

私がこの本を読んで欲しいと考えるのは、たとえば次のような悩みを抱える方です。

 

  • 大量の仕事に忙殺される。忙しすぎて昼食をとる事さえままならない。
  • なのに働き方改革の影響で、上司からは「早く帰りなさい」と言われるので、絶対に時間内に仕事が終わらない。勤務データをごまかす事もある。
  • 本当は「この仕事って本当に必要ですか?」と聞きたいのに、そうできる雰囲気ではない。仕方がないのでそのまま仕事を続ける。
  • どうすれば効率よく仕事ができるのか、上司や先輩に相談しても、根性論のような要領を得ない答えしか返ってこない。

 

仕事で大切なのは、まずは正確さとスピードです。

しかし私が新入社員だった時に、その具体的なノウハウを教えてくれる人は身の回りにいませんでした。参考になりそうな人さえ、見当たらなかった。そのおかげで、随分と辛い思いをしました。

そんな時は読書です。読書を通してノウハウを積み重ね、生産性を高めるのです。そして仕事術の本なら、多読よりも、一冊を徹底的に反復演習するのが良いでしょう。この本の内容を真に実践できれば、他の時短術の本は読む必要はありません。

働き方改革は、上から与えられるものではなく、私たち一人一人が自主的に実践するべきものです。この本を読んで、ぜひ職場で生産性向上のリーダーシップを発揮してもらえればと思います。

 

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

 
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【読書】外資系コンサルの知的生産術 ─プロだけが知る「99の心得」─ (山口周)

考え方をトレーニングしても、行動に移せなければ意味がない

この十年ほどのあいだ、現役コンサルタントや元コンサルタントの書いた「論理思考」や「仮説思考」といった「思考」技術に関する本がとてもよく売れています。いままさにこの本を手に取られている読者の方の中にも、そのような書籍を読んだ、という方がいらっしゃるかも知れません。

では、こういった「思考」技術に関連する書籍を読んだという方にお伺いしたいのですが、それらの書籍を読んだことで、実生活上、なかんずく仕事における知的生産のクオリティは向上したでしょうか?

 

本書には、仕事で行き詰まった時の「ブレイクスルー」となる発想・行動の技術が満載です。

 

冒頭で掲げた山口さんの言葉に「ドキッ」とした人は少なくないのではないでしょうか。

書店に行けば自己啓発本は溢れていますが、残念ながら玉石混交という側面も否めません。本当に役に立つ一冊を見つけるのは、とても難しい。

しかしこの本は非常にオススメです。以下このブログ記事で掲載した「5つの心得」を読めば、「確かにこの本は買う価値ありかも!」と思っていただけると思います。

この経験から痛いほどわかったのは、どんなにピカピカの学歴を持った頭脳優秀な人材でも、「動き方」を知らないとまったく知的成果を生み出すことができない、ということです。こういった人たちに対して何より必要なのは、「思考技術」のトレーニングではなく、具体的に手や足をどう動かすか? という「行動技術」、つまりは「心得」のトレーニンなんですね。

 

他の山口周さんの著作もそうですが、この本は特に「お買い得」と言って良いでしょう。実際の仕事ですぐに使えるプラクティカルで目鱗な示唆に富みながらも、同時に著者独自の社会科学的な思考の伸びやかさも楽しめる、とても知的好奇心をそそられる一冊です。 

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【読書】ゼロ秒思考 ─頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング─(赤羽雄二)

レーニングで大切なのは「続ける」こと

心の整理をし、考えをまとめ、深める方法があったら、誰でも別人のように成長できる。

 

「もっと自分も頭の回転が速くなれば良いのに」。

そう思ったら読むのがこの本です。「A4用紙に、自分の考えを1分以内にメモしていく」というシンプルな作業を続けていく内に、頭の回転が速くなる、というものです。

 

普通の読書であれば、多読乱読することも重要です。ただし、こうした自己啓発の本については、少ない数の本を深掘りしてこなす方が長い目で見て効果があります。

そしてその「少ない数の本」として適しているのが本書です。自己啓発の本は山ほどありますが、本書の魅力はサブタイトルにある通り、そのシンプルさにあります。シンプルであるが故に、すぐに始めることができ、そして何より続けやすいのです。

 

「三日坊主」という言葉があります。レーニングは継続する事にその意味がある。意気込み過ぎてハイレベルな努力をしようとしても、却って挫折してしまうという経験が誰しもあるはずです。

だからこそ本書で書かれている内容を試す価値がある。読めば分かりますが、一つ一つの作業はごくオーソドックスなものばかり。まさに「王道」、考え方の基礎部分を習得するトレーニング方法が紹介されています。

 

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

 
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【読書】読書を仕事につなげる技術(山口周)

読書のスタートは「読書についての本」から

本書の目的は、「読書はそれなりにしているのに、読書で得られた知識や感性を、うまく仕事に活かせていないなあ」と感じている人に、「読書を仕事につなげる」技術について、筆者がこれまでに実践してきたことをお伝えすることです。

 

ビジネスパーソンが読むべき本、1冊目は間違いなくこの本です。

本の選び方や、読む時の注意点、そして仕事への活かし方について。読書の方法論が、初めての人にもやさしく、しかし高度な内容を交えて解説されています。

 

社会人になると、誰もが皆、「自分は知らないことばかりだな」と感じるはずです。

より良い仕事をするために。より良い働き方に近づくために。読書はそのための知恵を授けてくれます。そしてそれは、今日からすぐにでも始められるのです。山口さんはまえがきの中で、進化論で有名なダーウィンのこんな言葉を記しています。

思うにわたしは、価値あることはすべて独学を通じて学んだと思う。

もし皆さんの身の回りに仕事のアドバイスをくれる人がいなくても、気にしなくて大丈夫です。読書を通じて独学するということ。それは今ここにいる自分を離れて、「自分よりもっとすごい人たち」に会って話しに行けるような、そんな贅沢な時間を味わえるものなのです。

 

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