スランプを乗り越えるために試してほしい3つの考え方(村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』)
小説から学ぶスランプの乗り換え方
「俺は思うんだけど、自分にとっていちばん大事なことは何かというのを、お前はもう一度よくよく考えてみた方がいいと思うよ」
誰にでも「スランプ」は訪れます。
何をやっても上手くいかない。何から始めれば良いのか分からない。人生は山あり谷ありを繰り返します。
その脱出方法を学ぶのなら、ビジネスパーソンなら自己啓発本・ノウハウ本を読むのが近道です。しかし視点を変えると、優れた小説からもスランプの脱出方法を学ぶことができる。
ここでは村上春樹さんの小説「ねじまき鳥クロニクル」の一場面から、その方法を考えてみたいと思います。
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【読書】ねじまき鳥クロニクル(村上春樹)
大切な何かを取り戻すために
「表面的に見れば、これは馬鹿みたいに単純な話なんだ。僕の奥さんがどこかで男を作って家出した。彼女は離婚したいと言っている。綿谷ノボルの言うように、そんなものはたしかに世間によくある話だ。あれこれ余計なことを考えずに、君と一緒にさっさとクレタ島に行って、すべてを忘れて新しい人生を始めればいいのかもしれない。でも実際には、これは見かけほど単純な話じゃない───僕にはそれがわかっている。君にもそれはわかっている。そうだろう?」
あなたにとって大切な何かが、あなたにとって大切な誰かが、ある日突然姿を消してしまったとしたら。
はじまりはいつも些細な事から。少しずつその「ズレ」が大きくなり、気づいた時に、自分の大切なものが失われている事に気づく。
私たちはどのようにして、見失った大切な何かを取り戻す事ができるのか。村上春樹の小説は「ねじまき鳥クロニクル」は、物語という装置を通してその方法に迫る。
「そこには僕の知らない何かが隠されている。僕はなんとかしてそれを明るいところに引きずり出してみたい」
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